気を取り直して、次は車道走行だ。見通しのいい道路に移動後、アクセル全開で走行してみたところ、時速20キロまで速度が出た。が、それ以上はスピードが出ないよう、自動で速度制限されるようだ。
フルスピードで走行しているとき、当たる風が気持ち良いと感じた。ただし、かなりスイスイと進んでいく感覚があり、自転車よりも注意力と集中力、運動神経が求められる乗り物だと感じた。ペダルを回す自転車と異なり、足の疲労感はゼロ。便利な乗り物であることに間違いはなく、全国各地にサービスが拡大している理由も頷ける。
その一方で、LUUPの電動キックボードは16歳以上であれば(運転免許を持っていなくても)誰でも使用できる。気軽に利用できる便利さの反面、気軽さゆえのリスクがあることもまた、疑いようのない事実だろう。
次世代のインフラへの期待と懸念
現在は「LUUP=若者の乗り物」といったイメージが定着しているが、もし今後高齢者層の利用が増えたときは、特に注意が必要かもしれない。警視庁『自転車の交通人身事故発生状況(令和7年上半期)』によると、年齢層別の人身事故発生状況を見たとき、65歳以上の件数が最も多くなっている。
株式会社Luupの公式サイトによると、同社は「高齢者の移動課題の解決」に意欲を示しているようだ。移動にバスを利用する高齢者は多いが、ここ数年は路線廃止が進み不便になるばかりだ。高齢化が進む日本社会の課題を、もしかしたら同社が解決してくれるかもしれない「期待」はある。
そのうえで、私個人の希望としては、高齢者の方々には安全面での理由から、可能であれば現行の電動キックボード(2輪)には乗ってほしくない。年齢を重ねれば身体的な衰えが避けられず、この乗り物を使いこなすのは正直難しいと思うかだ(健康のためには歩いたほうがいいという考え方もある)。
小さな段差や路面の凸凹も危険である。段差で転びそうになった経験は自転車でもあるだろうが、車輪の小さいLUUPは自転車以上に注意が必要だ。転倒リスクの高い乗り物なので、高齢者には不向きだと感じている。
LUUPは間違いなく便利なサービスだ。日本社会の新しいインフラになるかもしれないし、そういった未来を願っている自分もいる。けれど新しいインフラをすべての人が使いこなせるかといえば、そうではないというのが実情ではないか。利便性と安全性のバランスをどう保っていくかが、今私たちには問われている。
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