物価高の時代に「ラーメン一杯550円」のありがたさ…! "あの赤い看板"が目印の、開店後すぐに満席になる《健康中華》チェーンの正体

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食べ応えはあるのに、胃もたれしない。野菜はキャベツ、玉ねぎ、ニラ、生姜、ニンニクが使われているが、ニンニクの香りは控えめ。一番多いのがキャベツで、自社ファームで栽培したキャベツの甘みが餃子の味を支えている。(自社ファーム産キャベツの収穫は春と秋)

この看板メニューが大きく変化したことは、あまり知られていないかもしれない。2018年のこと。豚肉の赤身を3割増やし、その分脂身を大幅に減らした。「毎日食べてもおいしい、健康的な餃子を」というコンセプトで改良されたという。

あっさりとした味わい。何個でも食べられそう(筆者撮影)

ぎょうざの満洲で執行役員を務める、上田明広さんに詳しく聞いた。同社で約20年勤務し、新店舗の立ち上げにも携わってきたベテランだ。

「豚肉の脂身を少なくして、豚肉の味を楽しもうという方向に変わりました。赤身が多くて脂身を少なくした餃子は、素材本来の味を感じられるとお客様からも好評です」と上田さんは振り返る。

売り上げが伸びて原材料比が下がっても、その分を利益に回すのではなく、より良い食材に見直すことが、方針だという。わかめを乾燥から生わかめに変更したのも、チャーシューをピュアレアポークにしたのも、その一環だ。

長く親しまれたものを改良したら、反発の声もありそうなものだ。やはり、当初は一部のお客様から「今までの味と違う」という声もあったものの、結果的に餃子の販売量は増えたとのこと。

ラーメンと餃子を食べ終わると、お待ちかねのかぼちゃプリンへスプーンを入れる。

砂糖と水だけで作っているカラメルが美しい「かぼちゃプリン」。10月いっぱいの季節限定メニュー(筆者撮影)

スプーンですくって口へ運ぶと、プリンというよりケーキに近い濃厚さだ。かぼちゃの甘さを抑え、素材の味を生かした仕上がり。中華料理店のデザートとは思えないクオリティーで、川越工場で手作りしているという。テイクアウトも可能だ。食べ終わって周りを見渡すと、店内は1時間足らずで満席となっていた。

濃厚で、かぼちゃそのものの味わい。素材の味を大事にしている(筆者撮影)

中華料理なのに玄米を選べる理由

ぎょうざの満洲は、実は「健康」に徹底してこだわっている。中華料理の象徴とも言えるラードを炒め物油に使用していたが、2014年頃に植物油に切り替えた。さらに、ラーメンのスープも以前は豚骨や豚足を使用していたが、2020年から鶏ベース(国産丸鶏や鶏ガラ)に野菜や魚介を合わせたスープに変更。商品開発のため「毎日ラーメンを食べていた」先代社長の病気をきっかけに、医師からの指摘で切り替えたのだという。

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