仏教の「諸行無常」がお金の不安にも効く理由。永遠・不変なものは何もないと考えて…お金の流れを追っていけば真実が見えてくる

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この混沌の時代を知るためには、「その前に何が起きたのか」「そこで誰が得をしたのか」を見ることです。これは現在の戦争も同じです。この戦争の前に何が起きていたのか。この戦争で誰が得をしているのか−−。そして、それを見極めるための手がかりが、お金の動きなのです。

国際政治、アメリカの動き、日本のリーダーのふるまい、自分が勤めている会社、自分が経営している会社など、さまざまな場面でお金の流れを見るくせをつけましょう。そこから明らかになる真実は多いはずです。

「偉い人の仏教」から「民衆の仏教」へ

仏教が今、日本だけでなく世界においても人々に求められているのは、みなさんが日々、不安で仕方がないからだと思います。仏教はこれまでも、不安な時代に人々に広がっていきました。

正見を説く仏教は、現実に存在する不安や悩みにしっかり対峙し、応えていかなくてはならなかったのです。

例えば平安末期には「末法思想」が世の中に広まり人々は仏教に救いを求めました。末法思想とは、「お釈迦様が亡くなり2000年ほど後に、教えは残っていても修行や悟りがなくなり暗黒時代が訪れる」という思想で、人々はこれを肌で感じていました。

京では疫病が流行り、北九州には外国から女真族(じょしんぞく)が攻めてきている。興福寺の僧兵が東大寺を襲うなど、お坊さんまでもが武器を手に暴れ回っていました。一方、上級の僧は、財力を蓄えるだけ蓄えて堕落。

このような不安定で理不尽な世の中で、民衆は新しい仏教の教えにすがろうとしました。そしてそれが、鎌倉仏教の興隆につながったのです。

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