繰り返しますが、肺は気を作り出す重要な役割を担っているので、肺に異常をきたすと、疲れやすい、気力が出ないといった「気虚(ききょ)」の症状が表れてきます。
気虚とは気が不足した状態をいい、疲れやすい、気力が出ない、気持ちが落ち込む、といった症状が特徴的です。免疫力も低下してしまうので、風邪をはじめ、さまざまな病気にかかりやすくなります。
また、体が冷えやすくもなります。
肺を元気にしてメンタル回復
さらには、肺は精神面のなかでは“悲しみの感情”と深く関わっています。
肺が健やかでしっかり機能していれば、メンタルも安定してバランスよく機能しますが、肺の働きが落ちると、ささいなことで落ち込んだり、悲しくなったりします。秋は感情的になる季節というのは、まさに肺の働きが弱っていることを示しているといえるのです。
少し前になりますが、筆者はこんな方を診たことがあります。
喘息を発症された60代の女性で、病院で診てもらい、薬を使ってもゼーゼーする症状がとれず、筆者の薬局に相談に来られました。話を聞くと、1カ月ほど前に家族の一員としてかわいがっていた愛犬が亡くなり、毎日泣いて暮らしていたとのこと。そのころから症状が出てきたといいます。
そこで、筆者が弱った肺の働きを補う漢方薬を処方し、服用を始めてもらいました。また、その頃に新しい家族(犬)を迎え入れたそうです。すると、うそのようにゼーゼーする症状が治ったとのことで、うれしそうに報告してくださいました。
もちろん、喘息症状があれば病院を受診してしっかり診察してもらい、治療することが大前提です。ですが、このように漢方が有効なケースもあるんですね。
感傷的になりやすい、いつもより涙もろい、ため息が多い、落ち込みやすい、疲れやすい、元気がない、声が小さい……といった症状が、心当たりがないのにもかかわらず出てきたときは、肺が弱っているサインかもしれません。
肺はとてもデリケートです。感傷的な気分を引きずらないためにも、意識して肺のケアを心がけいくといいでしょう。
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