セルジオ越後、アジアで苦戦のJリーグ勢に喝 中国の台頭にビビるようでは世界で勝てない

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Jリーグ勢、Kリーグ勢は今や中国に完全に遅れを取っています。でも、日本にとって脅威なのは、中国だけではありません。東南アジアのチームの成長もめざましく、特にタイのクラブはかなり力を付けている印象です。

中国同様、東南アジアも経済成長が著しい。もともとサッカー人気が絶大な地域でしたが、地元企業が自国リーグに投資する機会が増えたことによって、各チームの戦力アップと国内リーグ人気の沸騰につながっています。現在、日本人選手たちが何十人もタイリーグでプレーしています。J2やJ3でプレーするより、タイでプレーしたほうが給料はいいしレベルも上がっているからです。この先もJリーグ勢の苦戦は続くでしょうね。

――これまでJリーグ勢は決勝トーナメントで広州恒大に大敗するケースが多かったですが、今回のガンバ大阪は2試合合計スコアが1-2と善戦しています。これは進歩と言えるのではないでしょうか?

広州恒大にとってガンバが脅威を感じさせる相手だったのは確かでしょう。ホームでの第1戦を2-1で勝利した彼らは、万博に乗り込んだ第2戦では「0-0の引き分けでオーケー」というような戦い方をしていました。それは、やみくもに攻め込むとガンバにやられかねない、という危険を感じていたからでしょう。

例年以上に厳しい日程だったガンバ

ただ、0-0で終わらせようとして実際にそうできるのは、やはり、広州恒大の実力のほうが大きく上回っているということ。チーム力に差がなければ、0-0で終わらせるのは簡単ではありませんから。7年ぶりの優勝を目指したガンバも、ACLはかなりの力を注いでいたようです。対戦相手の分析も入念にしていたそうだし、アウェーのシミュレーションも積んでいた。

そうした努力の甲斐もあって準決勝まで勝ち進んだわけですが、ガンバにとって残念だったのは、今シーズンからJリーグがチャンピオンシップを復活させたこと。レギュラーシーズンのあとにチャンピオンシップがあるため、例年以上にスケジュールが厳しい。

ガンバはACLで勝ち進み、ナビスコカップでも決勝に進出したため、かなりタイトな日程を余儀なくされました。さらにワールドカップ予選もありましたから、宇佐美貴史をはじめとした代表選手たちの疲労はピークに達していたことでしょう。それでも勝ち抜くためには、それだけの選手層が必要になります。

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