セルジオ越後、アジアで苦戦のJリーグ勢に喝 中国の台頭にビビるようでは世界で勝てない

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その点で、ガンバは今シーズンの開幕前、下部組織から昇格した数人の選手と、赤嶺真吾(元ベガルタ仙台)、小椋祥平(元横浜F・マリノス、7月にモンテディオ山形に期限付き移籍)のふたり、さらに夏に獲得した長沢駿(元清水エスパルス)しか補強していません。新スタジアムのオープン、それに伴うクラブハウス移転などいろいろと出費が多く、補強にお金をかけられない事情があったのかもしれませんが。

企業1社に依存するクラブ運営は高リスク

ーータフな戦いを戦い抜くだけのキャスティングが足りなかったといえますね。

そうですね。ただし、ガンバに限らずJリーグのクラブはどこも財政面で潤っているわけではありませんから、本当の意味でリーグとACLを並行して戦えるだけの選手層を築くのは難しいでしょう。予算規模は軒並み頭打ちの状態。パナソニックという大企業に支えられているガンバですらそうなんですから、地方クラブやスモールクラブが経営面で厳しいのも当然でしょう。

――「より多くのスポンサードを受けられるように」ということで、クラブ名に企業名を入れることを解禁してもいいのでは、という声もあります。

いや、それでは逆に一企業への依存度を強めるだけでしょう。その企業の経営状態に左右されることに変わりなく、その企業が撤退すれば、クラブは壊滅的な状態になります。佐藤工業が撤退し、マリノスとの合併を余儀なくされたフリューゲルスや、読売、日テレが手を引いて、J2に低迷しているヴェルディのように。

むしろ、一企業がメインとなってクラブを支えているから、その地域にある他の多くの企業が一緒になってサポートできないのではないですか。その地域にある多くの企業が地元への利益還元として、クラブを支援する文化を作っていかなければいけない。

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