セルジオ越後、アジアで苦戦のJリーグ勢に喝 中国の台頭にビビるようでは世界で勝てない

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たとえば、クラブに会長のポストを作って、その地域の名士に就いてもらう。あるいは、FCバルセロナのように候補者を募り、会員とスポンサーの投票によって選出する。そうした会長のもと、地元企業や行政、地元の人々にサポートしてもらう。地域にある多くの企業に支えてもらえば、札幌や福岡といった大都市のクラブは、街の大きさに見合った経営規模のクラブになるでしょう。

――話を戻しますと、中国リーグのレベルが上がれば、中国代表の強化にもつながると思われます。Jリーグだけでなく、日本代表も中国代表に歯が立たなくなる日が来るかもしれません。

思い出してほしいのは、Jリーグが開幕した90年代前半から半ばの頃です。ジーコやリトバルスキー、ブッフバルト、ドゥンガ、ジョルジーニョ、ストイコビッチといったワールドクラスのプレーヤーがJリーグに集まって来て、何が起きたか。

日本代表が中国に勝てなくなる日

Jリーグという日常で彼らと対戦することで日本人選手が成長し、日本代表のレベルアップにつながっていった。それと同じことが中国でも起きています。実際、今年1月のアジアカップで中国代表はモダンなサッカーを展開していました。ACLだけでなく、代表レベルでも日本が中国に勝てなくなる日が来るでしょう。同じように、日本代表がタイ代表に敗れる日が来てもおかしくありません。

ただ、それをどうとらえるかです。中国代表や東南アジア勢が力をつけているのは確かで、日本代表がワールドカップ予選を突破するのは、この先難しくなっていくでしょう。でも、アジア勢がワールドカップで勝利するには、アジア全体のレベルアップが必要です。

強くなった中国や東南アジア勢に対し、日本がそれを上回る成長を見せられれば、それはすなわち、日本が世界に近づいているということでもあります。中国や東南アジアの成長に脅威を感じてビビっていては、世界で勝てるわけがないんです。ライバルの台頭、成長は、日本が再び強くなるために知恵を絞る大きなチャンスなのです。

飯尾 篤史 スポーツライター

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いいお あつし / Atsushi Iio

東京都出身。明治大学卒業後、サッカー専門誌の編集記者を経て2012年からフリーランスに転身、スポーツライターとして活躍中。『Number』『サッカーダイジェスト』『サッカーマガジン』などの各誌に執筆。著書に『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)、構成に岡崎慎司『未到 奇跡の一年』(ベスト新書)などがある。

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