路面状況に応じた5つのドライブモードは、前輪左右輪の駆動力を調整する『アクティブヨーコントロール(AYC)』や前輪のスリップを制御する『トラクションコントロール』、4輪の安定性を制御する『アクティブスタビリティコントロール』のほか、アクセルレスポンスや電制ステアリングなどを統合制御するなど、非常に手の込んだものとなっている。
ラリー競技をはじめ、モータースポーツで培った4WD技術を惜しみなくFFのエクスフォースHEVに注ぎ込んだ、そんな印象を受けた。

ハンドルを握り、走りはじめて最初に感じたのが、三菱が大切にする“疲れないクルマづくり”。
元気にまわるエンジンやスポーティなサウンド、キビキビとしたハンドリングや足まわりなどは非常に楽しいものだが、長距離ドライブでは、それがかえって疲れにつながることも多い。その点、今回試乗した3台は、ガソリン車であれ、ハイブリッド車であれ、非常に落ち着いた乗り味に仕上げられていた。
とくにBEVやPHEV、HEVは、モーターによるトルク感や加速のよさを強調したモデルも多いが、これがギクシャクしたドライブフィールにつながることもある。そのバランスが絶妙で、ガソリン車から乗り換えても違和感が少なく、自然だけどパワフルなのだ。
新世代HEVの変化点

そして、本命のエクスフォースHEVは、ハイブリッドカーのあるべき姿をより一層強調しているように感じた。速度やアクセル開度に関係なく、リニアでシームレスな加速感が際立っていた。
ノーマルモードで走り出すと、60km/hあたりまでモーター駆動で滑らかに加速。そこからエンジンに切り替わるが、自然で静粛性の高さに驚く。ガソリン車と比べれば、明らかに滑らかかつ力強い加速だ。ただ、このような走行シーンでは、エクスパンダー クロスHEVとの差は感じにくい。
しかし、1周1.5kmの外周路で100km/hまで一気に加速するときは、EV走行→シリーズ方式(エンジンで発電してモーターで駆動)→パラレル(エンジンが主体となりモーターが駆動をサポート)→モーターを切り離してエンジン主体で走行するディスコネクトという一連の流れのスムーズさが際立つ。こういった郊外路や高速道路を走行するシーンでは、世代の新しいエクスフォースHEVの進化が感じられる。
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