――若いスタッフたちの成長を間近で見られるのは、社長冥利に尽きますよね。
アルバイトから社員になったばかりの20歳の男の子がいるんですが、最初はヤンキー丸出しの風貌で入ってきたんです。高校も中退してバイトを転々としていたけど、どこも続かずに飛んだりもしていて。でも、今は「お客様のところへ見積もりに行かせてほしい」って自分から言いますよ。彼はとくに、お客様と関わりたいという気持ちが強いですね。

ゴミ屋敷で悩んでいる人の精神状態

――もともと社交的な性格だったんでしょうか。
いえ、声も低くてハキハキした印象はない子だったんですけど、最近はスイッチを入れてシャキッとお客様のところへ行っていますね。
お客様から相談をいただいたら、まずは無料の見積もりにスタッフがお邪魔します。そこで依頼するかどうか決めてもらうので、見積もりを担当するスタッフの接客が大切になってきます。イーブイでは「見積もり時の成約率」を数字で出して給料に反映しているので、達成感があるんでしょうね。
見積もりって結構難しいもので、たとえば30万円の見積もりを出した場合に、「なぜ30万円かかるか」という根拠をきちんとお客様に説明できないといけないんです。また、お客様の「本当はこうしてほしい」という想いをくみ取って誘導してあげないといけません。
ゴミ屋敷で悩んでいる方は、自分から「こうしてほしい」となかなか言い出せない精神状態にあることが多いんです。
ただ、彼は「覚えることが多すぎて目の前のことで精一杯」と言っているので、お客様の背景まで考えられるようになるのはもう少し先かもしれません。

――16歳の子も、20歳の子も、ある意味、自分も痛みを知っているからこそ、ゴミ屋敷の住人たちの悩みを理解できる面があるんでしょうか。
あの子、そこまで考えているかな(笑)。いつも楽しそうに働いていますね。さっきも言った通り、そんなに深く考えすぎない人のほうが長続きすることもあるんです。ただ、日々成長しているのは間違いないですね。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら