夫・叶井俊太郎が死ぬことよりも"恐れたもの"とは?――くらたまが余命6カ月の夫を「自宅で看取る」と決めるまで

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ベッドで仕事をする夫
病院には必ず愛用していたPCを持ち込み入院中も常に仕事をしていた夫(写真提供/倉田真由美)
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漫画家でエッセイストの倉田真由美さんは、すい臓がんで「余命6カ月」と宣告された夫の叶井俊太郎さん(享年56)を自宅で看取った。宣告の日から1年9カ月後だった。
「家で死にたい」という夫の思いを妻はどう受け止め、何を準備したのか。倉田さんの著書『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』から、一部抜粋・再編集して紹介する。

治療方針は自分で決めた

夫は抗がん剤などがんの標準治療は選ばなかったけど、対症療法の手術は受けていました。

がんにより詰まった胆管を通すためのステント手術、そして胃と小腸をつなぐバイパス手術。ステントは数カ月おきに交換していたので、入院は何度も経験しました。

バイパス手術を行ったのは2023年6月です。すい臓がんが判明してから1年後くらいでした。

がんが大きくなって十二指腸が閉塞してきたため、食べたものがいつまでも胃の中から降りていかず、何度もゲップが出たり吐き気がしたり、食後ずっとお腹が張って苦しくなったりしていました。それを解消するため、十二指腸を迂回して胃から小腸に直接内容物を流せるようにする手術を行いました。

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