夫・叶井俊太郎が死ぬことよりも"恐れたもの"とは?――くらたまが余命6カ月の夫を「自宅で看取る」と決めるまで

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そうしているうちに、夫の気持ちが強く固まる出来事がありました。

夫が死ぬことより恐れていた「もの」

「一番痛いところにがんが嚙みついていない。叶井さんはラッキーだったね」

夫のCT画像を見た医師に言われました。

常々「死ぬことよりも痛いことのほうが嫌」と言っていた夫にとって、激しい痛みは何より恐れていたものです。もちろん、まったく痛みや不快感がないわけではなかったけど、がんによる「我慢できないほどの激しい痛み」はほとんど体験せずにすんだと思います。

痛いのが嫌と言う夫 イラスト
(イラスト/倉田真由美)
『夫が「家で死ぬ」と決めた日: すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』
『夫が「家で死ぬ」と決めた日: すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』(小学館)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

自宅で使う痛み止めは主に飲み薬と胸や背中に貼るシールで、それも効いていたようですが、訪問医のS先生によると「たくさん使う人より遥かに少ない量」で収まっていました。

一番激しかったのは、2023年8月後半から9月半ば過ぎまで入院することになった、胆管のステント交換手術がうまくいかなかった時の痛みです。

病院で最期を迎えたいと言っていた夫、そうさせるつもりだった私。でも、この入院をきっかけに夫は急に翻意しました。

「絶対に病院で死にたくない。家がいい。家で死にたい」

その時の夫の決心は固く、迷いは一切見られませんでした。

倉田 真由美 漫画家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くらたまゆみ / Mayumi Kurata

1971年福岡生まれ。一橋大学商学部卒。「ヤングマガジン」ギャグ大賞で漫画家デビュー、代表作は『だめんず・うぉ~か~』。近著に『凶母(まがはは)~小金井首なし殺人事件16年目の真相』『お尻ふきます!!』『抗がん剤を使わなかった夫 ~すい臓がんと歩んだ最期の日記~』。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事