「悪徳転職エージェント」が転職者を食いモノに!「おとり広告」と「職務履歴書の改ざん」で儲ける驚くべき手口
「あれこれ考えすぎなのよ。慎重すぎるとチャンスを逃す。だからダメなのよ。この病院はおそらく研修も充実しているはずだから、あなたにでも務まるわよ。それとも、アタシを信頼していないの。アタシが嘘言うわけないじゃないの」
山本は、担当者を怒らせてしまったと感じ、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「みんなやっている」職務履歴改ざんの誘い
担当者はそんな山本に、さらに言葉を重ねた。
「あなたの経歴書、正直、魅力的じゃないのよ。短い勤務歴は削除しましょう。それから、各種委員会ではリーダー役を担っていたと書けばいいのよ。だって、後輩に指導した経験もゼロじゃないでしょ」
「大丈夫。バレないし、転職するときは、みんな多かれ少なかれ誰でもやっていることなの。あなただけ、馬鹿正直に書いても損するだけなのよ」
これまで、患者に寄り添い、嘘偽りなく仕事をしてきた山本にとっては、経歴の改ざんは簡単には受け入れられない提案だった。一方で、ここまで親身になっている(ように見える)担当者をこれ以上怒らせたくないとの気持ちも芽生える。
結局、「一旦、持ち帰って考えます」と、回答し、この日は、プロフィールや転職における希望条件の登録、および、履歴書や職務経歴書の提出などの一般的な手続きだけをして、山本は帰宅した。
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