「悪徳転職エージェント」が転職者を食いモノに!「おとり広告」と「職務履歴書の改ざん」で儲ける驚くべき手口
実質的に退路を断たれた山本は、前回提案された求人案件に応募することにした。気が進まなかったが、現職で感じる視線に大きな圧を感じ、一刻も早く逃れたいという焦りがあった。
また、担当者からの「アタシが嘘を言っているのか」「だからダメなんだ」「誰でもやっている」との、自分に向けられた圧力から逃れたい、逆らいたくないと感じ、職務経歴書の改ざんも行った。
改ざんがバレても、エージェントは責任を取らない
「申し訳ありません。お許しください。紹介した転職エージェントからの指示だったので、ついつい魔が差してしまいました」
転職後、3カ月間の試用期間を終える頃に、山本は転職先の病院でこう叫んでいた。転職先の幹部からこう糾弾されたからだ。
「あなたの過去の勤務経歴には虚偽がある。狭い世界だからすぐにわかる。また、普段の仕事ぶりを見れば、経験不足であることなど一目瞭然だ」
「転職エージェントにも確認した。『改ざんのような不正を指示するはずがない』と。自分の不正を、他人の責任に転嫁するなんて、君は、どこまで嘘つきなのだ」
震える声で詫びる山本に下された裁定は、懲戒解雇だった。
医療の世界は狭い。悪評が地域社会に瞬く間に広がる。紹介した転職エージェントにも報告されることで、今後、他の転職エージェントのブラックリストに載ることになるだろう。山本は、あの転職エージェントにコンタクトしたばかりに、嘘つきのそしりを受け、将来のキャリアを自ら葬ったことを心から悔いている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら