
牧草や飼料の中に、釘や針金といった金属が混ざっていた場合、それらの異物もウシが食べてしまうことがあります(写真:prakobkit/PIXTA)
茂みから飛び出して素早く獲物を捕らえるネコ、嗅覚の強さから麻薬探知犬として活躍するイヌ、大量の草を効率よく消化するウシ……等々、動物たちの身体機能は人と大きく違います。
さまざまな動物の体を比べてみると、かれらが周りの環境にあわせて独自の進化を遂げてきたことがわかり、その生態や身体機能、病気の秘密が見えてきます。
獣医病理医としてさまざまな動物の体や病気を調べている中村進一さんの著書『不思議でおもしろい動物たちの「からだの中」の話』から、一部抜粋してお届けします。
胃の構造と働き
食道と腸の境目にあって、袋状に拡張した臓器が胃です。胃は食道から流れてきた食べ物を一時的に溜め込むとともに、胃液を分泌して食べ物を消化する役目を果たしています。
食道から続く胃の入り口を噴門(ふんもん)、腸につながる胃の出口を幽門(ゆうもん)、噴門と幽門の間の領域を胃体部(いたいぶ)といいます。入り口である噴門には噴門括約筋(ふんもんかつやくきん)、出口である幽門には幽門括約筋(ゆうもんかつやくきん)という筋肉がそれぞれ取り巻いています。
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