封筒1枚だけ、パジャマの下だけでも売る…県内世帯の半分が加入する「コープみやざき」のすごみ

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また、コープみやざきでは、取引先へのフィードバックも積極的に行っています。組合員からの「おいしかったよ」「よかったよ」の声を、取引先のメーカーや工場に送っているのです肉の加工品をつくってもらっている工場に、感謝状を持って行ったことがありました。「よかったよ」の声を送るたびに、その会社の社員さんたちから毎回、手書きのお礼の便りが返ってきたからです。その工場でいちばんのベテラン社員さんに手渡したところ、その方は感激して目を潤ませ、 「これからもおいしくて安全なものを食べていただくよう、頑張ります」と言ってくれたそうです。

コープみやざきでは、「よかったよ」や「ありがとう」の声を生かして、喜びと感謝、共感が広がり、次々に伝わっていくようなつながりを「善の循環」と呼んでいます。1人ひとりの声が生かされ、関わるみんなが幸せを感じられる「善の循環」は、とても素敵な考え方だと思います。

電池1個、パジャマの下だけでも売る究極のサービス

コープみやざきは組合員のための組織ですから、要望があれば、できることは何でもしようというのが基本的な姿勢です。ですから、店舗ではふつうはありえないサービスが日常的に行われています。ある店舗では、お客さまが「夏のパジャマの上はTシャツを着るので、下だけ売ってもらえませんか」と聞いてきたそうです。対応した店員さんは「わかりました。で
は下だけ半額でお売りします」と、セットになったパジャマをバラし、下だけ販売したのです。

「そんなことをしたら、上だけ残って、売り物にならないじゃないですか」と驚いて私が尋ねると、「でも組合員さんがほしいという商品がそこにあるのに、売らないというのもおかしな話なので」という答えが返ってきました。

「残ったパジャマの上をどうしようと考えてしまったら、大事な一歩が踏み出せません。どうするかは後で考えればいい。その瞬間は、その組合員さんのことだけ考えて行動すればいいと考えているんです」

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