銀行は本当にオワコンか?専門家が明かす「給料・キャリア・未来」――就職ランキング復活の兆しも

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そうした現状をしっかり伝え、いわば顧客の人生に寄り添って生涯にわたり支えていく。それが「相談業務」であり、AIには代替できない、対面の窓口を持つ銀行ならではの付加価値です。

それは政府が掲げる「資産運用立国」の担い手に、銀行がなることでもあるのでしょう。

「新たなビジネスモデル」に挑戦

3つ目のカギは「新たなビジネスモデル」です。銀行法の改正もあり、銀行の業務範囲が広がっています。

一例を挙げると、2024年12月に合同会社DMM.comがふくおかフィナンシャルグループの傘下にあるみんなの銀行の金融機能・サービスを活用することについて検討を開始し、そのための基本合意書を締結したというニュースが飛び込んできました。まさにBaaSの新たな事例です。

銀行ビジネス
『銀行ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

これまでBaaSに積極的に取り組んできたのは、楽天銀行や住信SBIネット銀行などのネット専業銀行が中心でした。

にもかかわらず、これまで保守的ともいわれてきた地方銀行のグループ会社がBaaSに乗り出すわけですから、正直いって驚きました。

銀行が新たなビジネスモデルに挑戦し始めていることの、象徴的な事例といっていいのかもしれません。

「銀行ビジネス」の在り方は、今後も大きく変わっていくことになるのでしょう。その最大の原動力は、やはり「人材」です。

私はこれまで1000人近くの銀行員の方々にお会いしてきましたが、そのなかには非常に優秀で、しかもユニークな人が少なくありませんでした。

そうした人材が銀行を支えているからこそ、「銀行ビジネス」はこれからが面白い。最後にそうお伝えして、本稿を締めくくりたいと思います。

菊地 敏明 金融エディター

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きくち としあき / Toshiaki Kikuchi

1969年生まれ。横浜市出身。1993年に学習院大学を卒業後、月刊総合誌、ビジネス書などの編集に携わる。大手教育関連企業の出版編集室を経て、2007年に株式会社想研入社。同社が発行する金融情報誌『Ma-Do』で投資信託を中心とする資産運用ビジネスの情報を取り扱い、銀行や証券会社、運用会社などの取材も数多く手がける。長らく同誌編集長を務め、2019年には執行役員に就任。2023年にフリーランスに転身し、引き続き『Ma-Do』特任シニアエディターを務める傍ら、さまざまな金融コンテンツの作成に携わる。

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