そうした現状をしっかり伝え、いわば顧客の人生に寄り添って生涯にわたり支えていく。それが「相談業務」であり、AIには代替できない、対面の窓口を持つ銀行ならではの付加価値です。
それは政府が掲げる「資産運用立国」の担い手に、銀行がなることでもあるのでしょう。
「新たなビジネスモデル」に挑戦
3つ目のカギは「新たなビジネスモデル」です。銀行法の改正もあり、銀行の業務範囲が広がっています。
一例を挙げると、2024年12月に合同会社DMM.comがふくおかフィナンシャルグループの傘下にあるみんなの銀行の金融機能・サービスを活用することについて検討を開始し、そのための基本合意書を締結したというニュースが飛び込んできました。まさにBaaSの新たな事例です。
これまでBaaSに積極的に取り組んできたのは、楽天銀行や住信SBIネット銀行などのネット専業銀行が中心でした。
にもかかわらず、これまで保守的ともいわれてきた地方銀行のグループ会社がBaaSに乗り出すわけですから、正直いって驚きました。
銀行が新たなビジネスモデルに挑戦し始めていることの、象徴的な事例といっていいのかもしれません。
「銀行ビジネス」の在り方は、今後も大きく変わっていくことになるのでしょう。その最大の原動力は、やはり「人材」です。
私はこれまで1000人近くの銀行員の方々にお会いしてきましたが、そのなかには非常に優秀で、しかもユニークな人が少なくありませんでした。
そうした人材が銀行を支えているからこそ、「銀行ビジネス」はこれからが面白い。最後にそうお伝えして、本稿を締めくくりたいと思います。
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