それでも、前年の2025年卒のランキングでベスト100に入っていたのは三菱UFJ銀行だけでしたから、人気は復活傾向にあるようです。しかも、直近では多くの銀行で好決算が続いていますから、今後はランキングがさらに上昇する可能性もあるでしょう。
とはいえ、1990年代の前半まではランキング上位の常連だった銀行が、この30年ほどですっかり人気を落としてしまったのは事実。
もちろん、バブル崩壊以降の銀行は再編の波にさらされ、「ゼロ金利政策」「マイナス金利政策」の影響もあって収益性も低下していましたから、無理もないのかもしれませんね。
けれども年収については、依然として高い水準にあるのも間違いありません。
マイナビが公表している「2024年版業種別モデル年収平均ランキング」でも、銀行は全112業種の中で13位と上位に入っていますし、実際に支店長クラスになれば、1000万円を超える水準になる銀行がほとんどです。
出向・転勤・役職定年を見直す
ただし、支店長クラスにまで出世できるのは全体の2割程度といわれていますから、決して簡単な道のりではありません。銀行では50歳を超えると出向になったり、役職定年となったりするケースもあり、その点を踏まえると、生涯年収は必ずしも高くないといった声もあるのです。
他業種と大きく違う、銀行ならではの人事制度の特徴に、多くの資格の取得が求められる点があります。基本ともいえる「銀行業務検定」をはじめ、数多くの資格試験を受けることになるため、そうした試験が苦手という人には、やはり向かない職業でしょう。
もう1つの特徴はゼネラリストが求められることで、多くの業務を経験させるジョブローテーションが行われるため、転勤も少なくありません。
もっとも、ここまで紹介してきた特徴は、あくまで従来の銀行の常識だといってもいいでしょう。最近は人手不足が深刻な問題になりつつあり、多くの企業で初任給を上げる動きがあるのは周知の通り。
銀行も例外ではなく、さらにそうした流れの中で、出向や役職定年といった仕組みを見直す銀行も出てきています。システムや運用関連など専門性の高さが求められる業務も増えているため、スペシャリストを育成するコースを用意している銀行もあります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら