銀行は本当にオワコンか?専門家が明かす「給料・キャリア・未来」――就職ランキング復活の兆しも

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とりわけ地域金融機関には、地元経済の牽引役としての役割が期待されるのでしょう。

地域の企業にも競争力のある商材、優れた技術を持つ企業は数多くありますから、その魅力を銀行が発信し、ネットワークを活かしてマッチングする。

あるいは、そうした企業のなかには昔ながらの経営にこだわり、真の強みを活かせないところもあったりしますから、銀行が経営改革を促し、時にはM&Aの仲介役となることで活性化させる。そうした取り組みこそが、まさに「地方創生」へとつながるはずです。

実際、地域金融機関の方にお話を伺うと、「私たちはここから逃げられない」といった言葉がよく出てきます。まさに地域とともにあるのが地域金融機関であり、その活性化なくしては自らも生き残れないという、危機感と使命感が表れた言葉でもあるのではないでしょうか。

これから求められる銀行員とは

もう1つのカギとなるのは「相談業務」です。

新NISAのスタートもあって、資産運用への関心は急速に高まっています。それに対して銀行が投資信託などの「商品を売る」という行為だけで終わってしまえば、やはり付加価値を生み出せないでしょう。

単に商品を買うだけなら、おそらくネットやアプリ経由のほうが利便性は高いはず。銀行の付加価値になり得るのは、顧客の声に耳を傾け、その人生設計に基づいてファイナンシャルプランを一緒に考えながら、あくまでソリューションとしての商品、サービスなどを提供することなのでしょう。

特に足元では物価の高騰が懸念されていますが、日銀が2%程度のインフレターゲットを掲げていることもあり、今後もインフレの状況が続いていくのかもしれません。

インフレによってこれまで100円で買えたモノが200円になってしまえば、手元の現金の価値は実質的に目減りします。預金の利息だけでそれを補うのは難しいでしょうから、やはり資産運用が不可欠。老後の備えのためだけではなく、資産を守るためにも運用が必要になるわけです。

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