さらには、「ノルマが厳しいイメージがある」ために銀行を敬遠する人もいるかもしれません。
この点については、「顧客本位の業務運営」が求められる中で、個人に課されてきた営業目標を廃止する銀行も増えてきています。つまり、銀行全体が今は大きな転換点にあり、当然のことながら、人事制度や待遇なども変わりつつあるわけです。
2024年3月にマイナス金利政策が解除されたことで、銀行の収益は回復基調にあり、今後もさらなる伸びが期待できるのではないでしょうか。再編や業務の効率化の成果も現われつつあり、フィンテックの導入や業務範囲の拡大など、将来の成長に向けた明るい材料も増えてきました。
これらを踏まえると、銀行の魅力度は増しているとも考えられます。
もちろん、良い面も悪い面もあるのでしょうが、少なくとも今はそれほど人気がないぶん、就職先としては狙い目なのかもしれません。
「銀行ビジネス」はこれからが面白い
最後に、これからの銀行ビジネスについて考えてみたいと思います。
「金利のある世界」が戻ってきたなかで、銀行の3大業務の1つである「貸出」による利ざやは拡大し、銀行の収益性は急速に改善しました。それでも、このまま従来型のビジネスを継続していれば安泰かといえば、それも違うのかもしれません。
企業向けの融資にしても、現在は資金調達の手段が多様化していますし、依然として経済の見通しが不透明な中で企業の資金需要が急激に高まるとも考えにくい。何よりも、単に「資金を貸す」という行為だけでは、付加価値を生みにくくなっているのは間違いありません。
そうしたなかで、今後のカギを握るのは、やはり「コンサルティング」だと考えます。
銀行は企業の経営状況、財務状況などを知り得る特異なポジションにあり、さまざまなノウハウも蓄積されています。多様な業種の企業とのネットワークもありますから、ビジネスマッチングなども行いやすいのは確かで、そこにデジタル技術やフィンテックを組み合わせれば、さらに可能性が広がるに違いありません。
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