「わざわざ飛びながら眠る」鳥がいる理由とは?動物の≪睡眠にまつわる疑問≫を東大准教授が解説!人間の”ぐっすり眠る”も実は習性ではない?

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行動とは、そもそも「何かすること、その行った内容」のことだ。

動物が何かをしたら、それは自動的に「動物の行動」なのである。それどころか、何ら目に見える行動を起こしていなかったとしても、くまのプーさんの名セリフ「何もしないをしてるんだよ」の通り、それは「何もしていないという行動」である。

さらにめんどくさいことを言えば、何もしていないように見えるからといって実際に「何もしていない」かどうかはわからないので、「何もしていないとは本当に何もしていないのか、実は何かしているのか」という疑問も出てくる。

睡眠も含めた「動物のやることすべて」が研究対象

つまり、動物が歩いていようが、餌を追いかけていようが、食べていようが、眠っていようが、ぼーっとしていようが、それはすべて「何かをしている」ということであり、全部が行動の一種だ。

動物のどの瞬間を切り取ってもそれは行動なので、動物行動学とは「動物のやることすべて」が対象となってしまう。

よって、「何もしないをする行動」だって研究対象である。まあ、その研究は身動きもしない動物を観察し続けるという、禅の修行めいたものになるだろうが。

いや、それ対象広すぎでしょ、と思われるかもしれないが、そういうものだから仕方ない。実際、「ただ寝ているだけ」の動物の睡眠だって立派に研究の対象だ。それどころか、眠りとはなかなかに奥深いものである。

例えばアマツバメという鳥(ツバメとつくがアマツバメ科で、軒先に巣を作るツバメとは違う仲間。ツバメはツバメ科である)は夜間、空中を飛び続けることがある。さらに、渡りの間はまったく地面に降りず、昼も夜も空中にいる。

一体どうやって眠るのだろう? それとも寝ないのか?

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