
米労働統計局(BLS)による雇用統計を批判し、人事に介入するトランプ米大統領(写真:Haiyun Jiang/The New York Times)
トランプ政権が統計機関への統制を強めている。8月に労働市場の悪化を示す雇用統計が公表されると、統計を作成した労働統計局(BLS)の局長を「政治的な操作を行った」と批判して解任し、後任に保守系シンクタンク出身でトランプ氏支持を鮮明にしてきた人材を指名した。これに先立つ7月には、各省に分散する統計機関の連携などを担う首席統計官も解任し、こちらも保守系シンクタンクから後任を登用している。
都合の悪い統計を排除しようとするのは、権威主義的な政治でしばしば用いられる手法だ。統計機関は専門家の集団である。米国では中立性や客観性が重視されるのが伝統で、政治色の強い人事は珍しかった。
統計機関のトップ人事だけで、直ちに統計が歪められるとは限らない。統計は綿密な手続きで編成され、多くの専門家が関わる。ほかの統計との整合性を崩すような露骨な操作はすぐに見抜かれる。
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