
関税引き上げや移民対策など、乱暴としか言いようのない政治を続けるトランプ2.0政権への反発から、野党・民主党への市民の期待は当然高まっていいはずだ。ところが、その支持率は1990年以来で最低。共和党より人気がない。民主党指導者らへの評価はトランプ大統領やヴァンス副大統領より低い。なぜ、民主党はそこまで嫌われるのか──。
この夏にウォールストリート・ジャーナル紙が公表した世論調査結果では、民主党支持の比率(33%)から、不支持の比率(63%)を引いた「純支持率」はマイナス30ポイントで、90年以来の35年間で最低を記録した。共和党の純支持率マイナス11ポイントに比べても、格段の不人気というべき数値だ。民主党を「強く支持する」と答えた人は8%にすぎず、共和党の19%の半分以下だ。インフレや移民対策など個別政策について聞いても、市民は民主党より共和党をずっと信頼しているという結果が出た。
「オバマ連合」は崩壊状態
この世論調査に先立って、民主党系団体「カタリスト」による、昨年の大統領選挙結果を含めた詳細な投票データが公表された。そこではさらに悲惨な長期トレンドが示された。2008年大統領選挙で形成された「オバマ連合」は崩壊状態で、民主党は新たな支持者の連合形成を模索するほかない局面に入ったとみられている。
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