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AI研究者が名著「生物から見た世界」に着目する訳 ユクスキュル『生物から見た世界』とAIの知能①

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ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』日高敏隆、羽田節子 訳/岩波文庫

私は20年以上、人工知能(AI)の研究・開発を行ってきた。願いは、AIが自らの「主観的世界」を持って生きるようになることだ。その点で今回から紹介する名著『生物から見た世界』は、重要な気づきを与えてくれる。

「環世界」とは

本書の題名である「生物から見た世界」とは、専門用語で「環世界」と呼ばれ、われわれ生物が持つ主観的世界のことである。生物は皆、お互いの環世界がぶつかり合う形で生きている。

「他者の主観による世界など知りようがないのではないか」という考えもあるだろう。しかし著者のヤーコプ・フォン・ユクスキュル(1864〜1944)は、さまざまな実験を通じて、これを丹念に解き明かしていく。

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