
ユクスキュル/クリサート『生物から見た世界』日高敏隆、羽田節子 訳/岩波文庫
前回はユクスキュルの提唱した「生物の持つ主観的世界=環世界」について紹介した。今回は、これと人工知能(AI)とのつながりについて、考えていきたい。
もちろん、この本は生物に関するものであり、AIのことが書いてあるわけではない。そもそもAIという言葉が登場するのは1950年代のことで、本書が著された33年にはまだ存在すらしていない。しかし、ユクスキュルが提唱した環世界は、AI研究の文脈でよく用いられる概念だ。
なぜ環世界がAI研究で重要なのだろうか。AIの範囲は広いので、ここではロボットやドローンのように、自律的に動いているAIのことを考えてみよう。
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