会員限定

〈今週のもう1冊〉『AI・ロボットからの倫理学入門』書評/AIの社会導入が進む時代、倫理・道徳観をどう更新するか

✎ 1〜 ✎ 156 ✎ 157 ✎ 158 ✎ 159
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
『AI・ロボットからの倫理学入門』久木田水生、神崎宣次、佐々木 拓、本田康二郎 著
AI・ロボットからの倫理学入門(久木田水生、神崎宣次、佐々木 拓、本田康二郎 著/名古屋大学出版会/2970円/250ページ)
[著者プロフィル]
久木田水生(くきた・みなお)/名古屋大学大学院情報学研究科准教授。
神崎宣次(かんざき・のぶつぐ)/南山大学国際教養学部教授。
佐々木 拓(ささき・たく)/金沢大学人間社会研究域人文学系教授。
本田康二郎(ほんだ・こうじろう)/金沢医科大学一般教育機構教授。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

AI(人工知能)技術の発達により、かつては実験的なものだったAIエージェントを介するサービスが社会に入り込みつつある。運搬用ロボットはレストランや倉庫に、対話AIは自動応答サービスなどにすでに導入され始めている。使ったことのある人も多いだろう。

AIが社会に導入される中で急速に注目されているのが、AIの倫理だ。自動運転車が人を轢(ひ)いてしまった場合のリスクなどは法律で議論されているが、例えばチャットボットに感情を動かされてしまうリスクは、法的な問題ではなく人間の倫理・道徳の観点で議論されるべきことである。

本書は、2017年に出版された『ロボットからの倫理学入門』を、現在の急速なAIの発展に合わせ大幅に改訂した書籍だ。第一線の哲学者や倫理学者らによる本だが、専門家以外が読んでもわかりやすく書かれている。物語のフレーズになぞらえてつけられた各章題も面白い。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD