ロボット掃除機の生みの親が仕掛ける「感情を持つ機械」とは。ルンバを退き1年、コリン・アングル氏が語る新会社の狙い

ロボット掃除機「ルンバ」を生み出したコリン・アングル氏が、新たな挑戦を始めた。
2024年にiRobotのCEOを退任してから約1年。アングル氏は10月17日、東京・銀座のホテルで新会社Familiar Machines & Magic(FM&M)について初めて詳細を語った。
「ルンバはタスク完了が目的の機械でした。今作ろうとしているのは違います。タスクをこなしつつ、人を理解し、人を気にかける存在です」
アングル氏はその新しい存在を「ファミリア」と呼ぶ。英語で「使い魔」を意味するこの言葉には、「極めて知的で、人間と密接な関係を持つ存在」という意味も込めた。
「ロボットという言葉では適切でないと思った」とアングル氏。「感情的知性を持ち、記憶を構築し、パーソナリティを表現する。そういう存在を作りたい。それがファミリアです」
プラットフォームから生まれる多様な形
FM&Mが手がけるのは「フィジカルAI」と呼ばれる分野だ。だが同社は今、特定の製品を作っているわけではない。
「私たちが作っているのはプラットフォームです。そのプラットフォームによって、さまざまな形のファミリアを生み出せるようになります」とアングル氏は説明する。
多くの企業が製造や倉庫作業向けにヒューマノイドロボットの器用さを追求する中、FM&Mは違う軸で勝負する。人との感情的なつながりだ。介護、スマートホーム、エンタメ、小売り——用途によって最適な形は変わる。だからこそ、まずプラットフォームを構築しているのだ。
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