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〈今週のもう1冊〉『王者の挑戦 「少年ジャンプ+」の10年戦記』書評/「よい新作をたくさん送り出す」少年ジャンプ黄金期の終わりと再生

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『王者の挑戦 「少年ジャンプ+」の10年戦記』戸部田 誠(てれびのスキマ)著
王者の挑戦 「少年ジャンプ+」の10年戦記(戸部田 誠(てれびのスキマ)著/集英社/1980円/256ページ)
[著者プロフィル]戸部田 誠(とべた・まこと)/ライター。1978年生まれ。「てれびのスキマ」名義でも執筆。著書に『タモリ学』『コントに捧げた内村光良の怒り』『1989年のテレビっ子』『笑福亭鶴瓶論』『全部やれ。日本テレビ えげつない勝ち方』『芸能界誕生』など。
さまざまな分野の専門家が、幅広い分野から厳選した書籍を紹介する。【土曜日更新】

『週刊少年ジャンプ』は、いま「黄金期の終わり」にある。連載作にかつてのような誰もが知る大型作品は、ほぼない。唯一残る『ONE PIECE』も「最終章に入った」と発表され、牽引するのは『SAKAMOTO DAYS』『カグラバチ』など、人気ではあるが、国民的とは言いがたい作品群だ。

たまたま谷間の時代なのかもしれないが、近年はアプリやSNS経由でマンガに出合う機会が増えている。「『ジャンプ』掲載作」というのが読む理由、作品を選ぶ基準でなくなったことも原因だろう。

それに対し、本書が取り上げるデジタルアプリ「少年ジャンプ+(プラス)」は、『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』『怪獣8号』とアニメ化された超人気作品はもちろん、『ふつうの軽音部』など、今後の大ヒットが予想される作品も含め、新旧豊富なラインナップを誇る。もはやこちらが「ジャンプ」の本丸だ。本書は、近い将来の“死”を意識した『週刊少年ジャンプ』が、形を変えてでも生き延びようとする試みの記録だ。

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