老化も病気も対策は腸がポイントだった… 医師が教える「体をサビさせない」新腸活

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水素に活性酸素を消去する強力な抗酸化パワーがあるのは先述した通りです。

つまり、腸内細菌が短鎖脂肪酸をどんどんつくり出すような環境が整っていれば、自動的に水素も多く発生するようになり、その水素が活性酸素の害を除去してくれるということ。そうすれば、活性酸素につけ入るスキさえ与えず、腸は活発に動き、腸壁のバリアもしっかり保たれ、日々すばらしいコンディションで健康を向上させていくことができるようになるのです。

もっといえば、普段から腸内で短鎖脂肪酸と水素がつくり出されてさえいれば、わたしたちは活性酸素の攻撃に打ち勝って、「サビない人生」を歩んでいくことができるというわけですね。

「水溶性食物繊維+お酢」で短鎖脂肪酸をアップ

それでは、いったいどうすれば腸内にたくさん短鎖脂肪酸をつくり出し、たくさん水素を発生させることができるのでしょう。

もちろん、これは日々どんなものを食べて、どんな腸内細菌を増やし、どのような腸内環境をキープするかにかかっています。

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まず、短鎖脂肪酸ですが、これを増やすには、とにかく食物繊維をたくさん摂ることです。野菜、きのこ、海藻、納豆などを毎日積極的に摂取するようにしてください。これらの食物繊維は腸内に長くとどまって、余分な糖や脂肪を吸着しながら発酵します。その発酵した繊維が有用菌のエサとなり、これによってさかんに短鎖脂肪酸がつくり出されるのです。そして、短鎖脂肪酸がつくられる生産過程で水素も発生することになるわけですね。

なお、食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」とがあり、こと短鎖脂肪酸を増やしたいのであれば、水溶性にウェイトを置いて摂るのがおすすめです。水溶性食物繊維にはキャベツ、にんにく、玉ねぎ、オクラ、ヤマイモなどの野菜類のほか、きのこ類、海藻類、それに、豆類、納豆、アボカドなどが挙げられます。

また、食べ方としては、酢をうまく活用するのがいいでしょう。お酢(酢酸)は短鎖脂肪酸そのもののようなものであり、これを口から摂取することで腸内の短鎖脂肪酸をいっそうパワーアップさせることができるのです。ですから、酢キャベツ、酢玉ねぎ、もずく酢、わかめ酢、なめこ酢、ピクルスやマリネといったように、水溶性食物繊維をお酢とともに食べれば、まさに「最強タッグ」の組み合わせになるのではないでしょうか。納豆にもじつは酢をかけて食べるのがおすすめです。

小林 弘幸 順天堂大学医学部教授、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

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こばやし ひろゆき / Hiroyuki Kobayashi

1960年、埼玉県生まれ。87年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任する。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人へのコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。『医者が考案した「長生きみそ汁」』、『結局、自律神経がすべて解決してくれる』(アスコム刊)などの著書のほか、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)や「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBSテレビ)などメディア出演も多数。

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