「娘の夫の死」きっかけに夫婦ともに"70歳以上"で愛知から東京に移住。不動産屋で経験した"高齢者の家探しの苦労"も語る

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織田義憲さん、敏江さん、美由紀さん
織田義憲さん、敏江さん、美由紀さん(筆者撮影)
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老後の移住というと、リタイア後に都市から地方へ移住するイメージが強いですが、近年、子供のいる東京に地方から移住する人がじわりと増えています。
ただ、年を重ねてから初めて東京に住むとなると、子供のそばで暮らせる安心感がある一方、生活に適応できるかといった不安や、住み慣れた街を離れる寂しさなどが立ちはだかり、なかなか決断できるものではありません。
そこで本連載では、その“勇気ある決断”をした経験者たちの話を聞き、移住を考えている人の参考になるお話をお届けします。

愛知県を中心に長年銀行員として働いてきた織田義憲さん(79)は2022年3月、75歳の時に妻の敏江さん(77)とともに愛知から東京に移住した。

子どもがいる東京に出てきたのは多くの「東京移住者」と共通するところだが、織田家の直接の移住のきっかけは、娘の夫が急死したことだった。

織田義憲さん一家
父・義憲さん(79)
元地方銀行勤務。60歳できっぱりと仕事を辞め、キャンプ中心の生活に
母・敏江さん(77)
今も百貨店で月数回パート勤務
長男・大輔さん(52)
会社員。子どもは大学院1年の長男、大学3年の長女の2人
長女・美由紀さん(50)
会社員。夫が病死し、シングルマザーとして子ども3人(長女が短大2年、長男が高1、次女が中1)を育てる

娘の夫がスキルス胃がんに

織田さん夫妻の東京移住後のマンションは、練馬区の車移動に便利な場所にある。

インターホンを押すと、織田夫妻と長女の美由紀さんが出迎えてくれた。美由紀さんの自宅は同じ駅にあり、織田さん夫妻の家から自転車で10分ほどの距離にある。何か用があればすぐに行き来できるいい距離感だ。

美由紀さんは言う。

「私はシングルマザーとして子ども3人を育ててきたので、仕事の時など、困ったときは買い物や花の水やりなどいろいろ助けてくれました。一緒に住んでいるわけではないので、そこまで気を遣わなくて済みますし。

私もまさか両親とまた近くで住むことになるとは思いませんでした。いろいろありましたが、結果的にこうして家族が近くにいることは本当によかったと思います」

本連載では、首都圏エリアにお住まいの方を対象に取材にご協力いただける方を募集しています(取材は可能な限り対面での取材とさせていただき、難しい場合はオンラインで行います。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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