
東京での暮らしは、山形時代と比べてどのように変化したのだろうか(撮影:今祥雄)
老後の移住というと、リタイア後に都市から地方へ移住するイメージが強いですが、近年、子供のいる東京に地方から移住する人がじわりと増えています。
ただ、年を重ねてから初めて東京に住むとなると、子供のそばで暮らせる安心感がある一方、生活に適応できるかといった不安や、住み慣れた街を離れる寂しさなどが立ちはだかり、なかなか決断できるものではありません。
そこで本連載では、その“勇気ある決断”をした経験者たち(もしくはその子)の話を聞き、移住を考えている人の参考になるお話をお届けします。
第2回目は、50代半ばで山形県から東京に居を移した室星流美子さん(73歳)です。
(この記事は後編です。前編はこちら)

(撮影:今祥雄)
移住先は長女と同じマンション
2006年6月、室星流美子さん夫妻は山形から東京への移住を決断し、わずか1カ月後には新しい生活をスタートさせた。東京での暮らしは、山形時代と比べてどのように変化したのだろうか。
室星さんがまず住んだのは東京・八王子。長女が住むマンションの別の部屋を購入した。東京移住後、室星さんが何よりも価値を感じたのは、娘たちが仕事を続ける手助けができたことである。市役所職員や助産師として働く娘たちにとって、育児と仕事の両立は大きな課題だったが、室星さんの存在が支えとなった。
「娘2人とも、それぞれの仕事を続けられているのは、私の協力が大きかったと思います。子供の高熱が続いたときは泊りがけで看病をすることもありました」
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