「残りの人生で子供たちと会える日はあと何日?」62歳で大分から”東京移住”を夫婦が決断するまで。移住あるある「墓問題」も聞いた

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大分から東京に移住を果たした大井さん夫妻と娘さん(写真:今井康一撮影)
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老後の移住というと、リタイア後に都市から地方へ移住するイメージが強いですが、近年、子供のいる東京に地方から移住する人がじわりと増えています。
ただ、年を重ねてから初めて東京に住むとなると、子供のそばで暮らせる安心感がある一方、生活に適応できるかといった不安や、住み慣れた街を離れる寂しさなどが立ちはだかり、なかなか決断できるものではありません。
そこで本連載では、その“勇気ある決断”をした経験者たち(もしくはその子)の話を聞き、移住を考えている人の参考になるお話をお届けします。
初回となる今回は、大分から東京に移住を果たした大井さん夫妻と娘さんにお話を聞いた。
(この記事は前編です。後編62歳で「東京移住」して気付いた苦労とメリット
(写真:今井康一撮影)

 

父・大井春美さん(69歳):大分県生まれ。大学生のときに絹子さんと出会い、24歳で結婚。その後個人で運送業を営む。62歳で東京に移住。
母・絹子さん(69歳):宮崎県生まれ。高校卒業後、大分の芸術系短大に進学。24歳で春美さんと結婚。62歳で東京に移住。
長女・あゆみさん(44歳):高校卒業後、東京の大学に進学。卒業後は教育系企業での勤務を経てフリーライターに。現在は編集プロダクションを経営。
長男(あゆみさんの弟、41歳):大分の高校卒業後、東京の大学に進学。現在も東京で会社勤め。妻と息子の3人暮らし

大井さん夫妻は東京に住んでいる子供のもとへ、2017年に大分から東京に移住した。移住当時、夫妻は62歳。高齢者としては若い部類であり、心身が元気なうちに移住を果たした。

大分県大分市の新興住宅街に住んでいた大井家が東京と関わるようになったのは、長女のあゆみさんが早稲田大学に入学してからだった。

あゆみさんは言う。「母が東京にちょこちょこ来るようになって東京のことを知るようになりました。その3年後には、弟も東京の大学に進学し、大井一家にとって東京がさらに身近な存在になりました。とはいえ、大分と東京では距離があるので、何となく家族で近くに住めたらいいな、スープが冷めない距離にいるといいね、などと自然に話をしていました」

最終的に東京に移住しようかという話が現実味を帯びてきたのは、夫妻が59歳のときに絹子さんの実母が亡くなり、春美さんと絹子さんが2人暮らしになったときだった。

本連載では、首都圏エリアにお住まいの方を対象に、取材にご協力いただける方を募集しています(取材は可能な限り対面での取材とさせていただき、難しい場合はオンラインで行います。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
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