「東京に住むなんて考えもしなかった」から一転、54歳で山形から東京へ≪単身移住≫を決意した理由とは?考えを変えた”2つの出来事”を聞いた

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
室星流美子さん
50代半ばのときに決断し、わずか1カ月で東京移住を果たした室星流美子さんに話を聞きました(撮影:今祥雄)
この記事の画像を見る(4枚)
老後の移住というと、リタイア後に都市から地方へ移住するイメージが強いですが、近年、子供のいる東京に地方から移住する人がじわりと増えています。
ただ、年を重ねてから初めて東京に住むとなると、子供のそばで暮らせる安心感がある一方、生活に適応できるかといった不安や、住み慣れた街を離れる寂しさなどが立ちはだかり、なかなか決断できるものではありません。
そこで本連載では、その“勇気ある決断”をした経験者の話を聞き、移住を考えている人の参考になるお話をお届けします。
第2回目は、50代半ばで山形県から東京に居を移した室星流美子さん(73歳)です。
(この記事は前編です。後編54歳で山形から「東京移住」、移住後19年経った心境
(撮影:今祥雄)

 

室星流美子さん(73歳):山形県生まれ、現在は西東京市で夫と二人暮らし。30年前から介護職に従事。現在は職業訓練校で介護職の講師をしながら、派遣やタイミーなどを駆使し空いた時間に介護現場でも働いている
夫(76歳):子育て期間は単身赴任が長く、流美子さんの移住当初も単身赴任中だった。会社を60歳で定年退職した後、東京に移住。定年当初は週3回ほどのアルバイト生活を送ったが、現在は引退生活を送っている
長女(46歳):西東京市在住。流美子さん宅と徒歩5分くらいの距離に住む。大学卒業後、マスコミ勤務を経て現在は都内の市役所勤務
次女(41歳):都内在住。大学院修了後、助産師として働く

移住決断から実行までは1カ月

室星流美子さんは54歳だった2006年7月、地元の山形から東京に移住を果たした。移住を決断したのが、わずか1カ月前の2006年6月だというから驚くほかない。まずはこの“スピード移住”に至るまでの経緯を聞いた。

山形県で生まれ育った室星さんは高校卒業後、東京の短大に進学。ただ、卒業後は地元に戻り、外食産業などで働いていた。転勤で山形に来ていた夫と出会い、ほどなくして結婚。山形県酒田市に一戸建てを建てたが、ここで想定外のことが起きた。

「酒田にあった夫の会社の工場が閉鎖され、夫はその後定年まで単身赴任生活でした。なので私は20年間、仕事しながら一人で子育てをしていました。忙しいながらも介護の資格を取り、1996年から介護関係の仕事を始め、29年になります」

本連載では、首都圏エリアにお住まいの方を対象に取材にご協力いただける方を募集しています(取材は可能な限り対面での取材とさせていただき、難しい場合はオンラインで行います。また仮名での掲載、顔写真撮影なしでも可能で、プライバシーには配慮いたします)。ご協力いただける方はこちらのフォームからご応募ください。
次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事