「夫に相談したところ、『どこに住んでもいいよ』と。転勤族だったので、その辺りは柔軟でしたね。私自身も、生まれ育った山形に不思議なくらい愛着はなくて。この頃はすでに携帯電話でどこにいても山形の友人とも連絡が取れたので、その点も大きかったかもしれません」
こうして、2006年6月に移住を決断。当時社会人と大学院生だった娘たちも室星さんの移住を歓迎した。そして早速勤務先に退職の意向を伝え、家も売りに出した。

家は1週間で売却
地方から東京への移住で大きな壁になるのが、住居スペースが小さくなること。だが、流美子さんは、これをむしろ断捨離のチャンスと前向きに捉えた。
移住当初に住んだ八王子の住まいは80平方メートル、現在の西東京市の住まいは53平方メートルほど。
「1985年に購入した酒田の一戸建てに比べると、東京の住まいはだいぶ狭くなりました。嫁入り道具や衣類など、ほとんど処分してきました」
酒田の家は築20年ほどで新築時の3分の1ほどの値段になったものの、駅から近く立地もよかったため1週間で売却が決まり、その費用を移住資金に充てることができた。
そして移住を決意した翌月、長女が当時住んでいたマンションの別の部屋を購入し、引っ越した。
後編では、流美子さんの東京での暮らしや仕事、移住から19年経った今思うこと、そして今後について詳しく聞いた。
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