何人もの部下を辞めさせた「パワハラ上司」をがつんと叱る!反発されず行動を変えた社長の意外な言葉とは

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また、突発的に電話がかかって来て、「今から来い」と言われ、「ちょっと先約がありまして」と断ると怒られることも。

そういったことが度々起こり、O氏は精神的にまいってしまいます。

身近な上司に相談しても、上司もお客様のことを無視しろとも言えず、まともなアドバイスができませんでした。

その状況が続き、O氏は限界を迎え、辞表を出します。会社はその社長の担当を変えようと提案しますが、「もうこの仕事が嫌になりました」と、O氏は違う業界に転職しました。

迷惑客を抱えた社員への対応

このように顧客との関係がうまくいかず、強いストレスを抱えると、その仕事が嫌になり、違う業界へ転職するケースがあります。

そうなる前に担当を変えるなどの対応をとることが必要です。

また、顧客と関係がうまくいっていないことは恥ずべきことだと捉える人は、顧客との関係に関する悩みを上司に相談しないこともあります。

その場合、部下が顧客からひどい対応を受けていることを把握するのは難しいものです。

そこで、顧客とのメールのccに上司を入れる、チャットのスレッドに上司も入る、「大丈夫? 何か困ったことない?」と声掛けをする、メンターをつけるといった対応をとることで、部下の顧客との関係に関する悩みを把握しやすくなります。

また、先の事例ではO氏は身近な上司に相談し、上司もその悩みを把握してはいるものの、お客様との関係にまで口を挟める立場にはなかったため、適切なアドバイスができていませんでした。

こういう事態に備え、会社として対応する相談窓口を設けるのも有効な手段です。

人口がさらに減少するこれからの時代、離職防止はますます重要なテーマとなります。

「パワハラ社員」「迷惑客」という社員に強いストレスをもたらす存在から社員を守り、離職を防ぐためにも、上記の対応を参考にしていただければと思います。

藤田 耕司 経営心理士、税理士、心理カウンセラー

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ふじた こうじ / Koji Fujita

一般社団法人日本経営心理士協会代表理事、公認会計士、税理士、心理カウンセラー。これまで1200件超の経営相談を受け、心理学と会計を活用した経営改善を行う。その経験から経営者の心理、部下の心理、顧客の心理を分析し、経営心理学として体系化することで経営改善の成果を高める。また、経営心理学を学ぶ「経営心理士」の資格を創設。経営心理士講座の受講生はのべ5000名を超え、その内容は大手企業や省庁でも導入される。著書に『リーダーのための経営心理学』(日本経済新聞出版社 日本、台湾、韓国の3カ国で出版)、『経営参謀としての士業戦略』(日本能率協会マネジメントセンター)。

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