人の目が気になりすぎると、「自分」がなくなる。このアイテムにこの値段を出すのはありえないとか、どこが人気なのかさっぱりわからないとか、正直趣味じゃないとか……そうした自分の感覚は二の次になる。「みんながいいと言っているのだから」と判断を放棄してしまう。
自分が人目を気にしすぎるタイプと感じたら、自分の気持ちをはっきり言えない相手とは距離を置くのも一つの手段だ。ストレスをためながら、ムダなお金を払うことほどもったいないことはないのだから。「自分はこれでいいと思う」と言える、気の置けない仲間との付き合いを深めたほうが、財布にもストレスをかけずに済む。
⑤「安い値札」が好きすぎる
サザビーズやクリスティーズといった、超高額な美術品を扱うオークションハウスをご存じだろう。その得意客の話を本で読んだことがある。彼らは狙った品物を落札するためには億単位の金額を惜しげもなく支払う大金持ちばかり。そんな人たちでも、「なるべく安く買えないか」と考えているのだとか。
そのため、オークションにかける最初の価格は、客が想定する値段よりも「ちょっとだけ安く」出すそうだ。すると、わっと客が集まる。ひょっとして、自分が思っていたより安く買えるチャンスかも、と山っ気が出るわけだ。スーパーのタイムセールに押しかける庶民も、億単位のコレクションを落札する富裕層も、「なるべく安く買いたい」心理はどちらも変わらないらしい。
そんな心理をくすぐるのが、「半額セール」「まとめ買いで10%オフ」「最終処分7割引き」といった「安い」値札だ。支払うお金がいくらになるかよりも、値引き率の数字にばかり目を奪われる。1万円の商品が30%オフだと7000円、1万8000円の商品が半額だと9000円だが、「それなら半額のほうを選ぼう」と感じる人は多いのではないか。
物価高の時代、安さが嫌いな人などいないだろう。ただし、それに目を奪われすぎると、「安いなら買っておこう」と不要なモノまで買ってしまうこともある。安物買いの銭失いとは、まさに深い言葉ではないか。
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