やがて数学だけでなく、他の教科に対する意欲も低下。成績は下がり続け、偏差値は30台、学年順位も500番台にまで落ち込んでしまいます。
そのうち、高校へも足が向かなくなり、不登校気味に。特に高校2年生の時は学業から遠ざかり、ゲームやアルバイトに打ち込むようになります。
「1年の夏休み明けには、すでに授業についていけなくなっていました。札幌南は自由すぎる校風で、休むのも自由。その環境に甘えて、学校では居眠り、家ではゲームをして過ごすようになりました。
それでも、自分を卒業させてくれた南高には、今でもとても感謝しています。また、自分とはまるで次元が違う本当に優秀な多くの同級生たちの姿を間近で見られたことは、今ではとても貴重な経験だったと感じています」
気づけば卒業間近となり、センター試験は受験するも、数学I・A、II・Bは0点で総合得点は300/800点台。酪農学園大学獣医学群を受験するも、不合格に終わり、浪人が確定しました。
予備校で現実を知った1浪目
こうして、松井さんは浪人生活に突入します。その理由を聞いたところ、「1年勉強すれば何とかなるだろうと、当時は深く考えず浪人することにしました」とのこと。
札幌の駿台予備校の北大理系コースでの浪人生活をスタートさせましたが、すぐに「自分は他の浪人生とは違う」という現実に直面しました。
「英語や国語を含めて、どの教科も基礎がわかっていないので、まるで理解できませんでした。予備校というのは、高校時代に積み重ねて勉強してきた人が、あと一歩足りなかった部分を補って合格を目指す場所だと痛感しました」
高校時代は全教科ほぼ勉強しておらず、センター試験の問題すら「何が書いてあるのかわからない」状態だったという松井さん。毎日机には向かっていたものの、基礎がない状態では、成績が伸びる実感を持てないまま時間だけが過ぎていきました。
この年のセンター試験では前年より約100点アップし400/800点台に到達したものの、数学I・A、II・Bは前年に続き0点のままでした。
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