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「植民地化を回避する外交戦略は?」東大入試で出題された琉球王国の「嘘も方便」な大胆すぎる答えとは

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琉球王国の外交戦略が光るのは、ここで「日本に依存している」とも「中国に依存している」とも言わなかったことです。このように伝えれば、フランスは真っ先に日本や中国と交渉を行って、琉球王国の処遇について決定を行うことでしょう。フランス海軍の脅威を回避できても、それは一時しのぎにすぎません。

一方で架空の「トカラ島」を伝えた場合は、フランスがトカラ島の人々と交渉するシナリオがない以上、琉球王国の安全保障が一定程度担保されます。

あとはフランスが「トカラ島」の不存在に気づいて琉球王国に再度働きかけを行うか否かによるでしょう。ただいずれにせよ、開国要求や通商要求を回避するという当初の目的は実現されます。

こうした弱小国家の立場をうまく活用しながら、強国のはざまを生き抜いていく琉球王国の外交戦略には学ぶべき箇所が多くあります。この魅力を体感できるのが、東大日本史の特徴です。

知識ではなく「思考」に焦点を当てる

『東大の良問10に学ぶ日本史の思考法 (星海社新書)』(講談社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

ここまでの説明だけでも、十分に東大日本史の特異性は伝わったのではないでしょうか。典型的な日本史の試験だと、人物名や事件名の暗記が主で、歴史のダイナミズムに触れる機会は限られています。

しかし、東大日本史では、知識ではなく思考に焦点が当たっている分、日本史の魅力を体感しやすい構造となっているのです。

本稿で紹介した問題のみならず、東大日本史の問題はいずれも「日本史の思考法」を学ぶことができる良問です。

・生類憐れみの令が再評価されている理由
・室町幕府が財政赤字を克服したユニークな方法
・欧州視察団としてドイツの法学者らを説得させる方法

など、思いもよらない角度から、歴史の魅力を伝えてくれる問題が豊富です。本稿を通じて、日本史に興味を持った方はぜひとも、東大日本史の問題に触れてみてください。

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