「また転売ヤーの仕業か…」「企業も対策してよ」日に日にヘイトが集まる“転売ヤー”は、なぜ日本で爆増したのか? 本人たちに聞いてみた

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もちろんこれはマクドナルドだけではなく、その他の企業も同様でしょう。

出品者も購入者も安全なリセールサイトの活用、複数アカウントや自動注文ツールの使用制限、ニーズに応じた受注生産での販売、転送できない入場用2次元コードなどの開発、商品に関する複数の質問に答えられない人には売らないなど、企業に一歩踏み込んだ転売対策を求めるムードがあります。

これは裏を返せば、「何らかの転売対策を取らなければ、企業や商品のブランドにも悪影響が出るかもしれない」ということ。さらに「転売対策が十分ではない企業の販売サイトや店舗を狙い撃ちする」という転売ヤーも少なくないだけに、社内に転売対策チームを作るくらいの積極的な姿勢が必要なのでしょう。

転売ヤーが「本気で嫌がる対策」とは

筆者が転売ヤーたちに話を聞くとき、最後に必ず「どんな転売対策をされたら嫌か」と尋ねていました。

その答えは、「1つしか買えない」「複数のアカウントが作れない」「転売しづらいようにパッケージを没収したり、箱に名前を書かされたりする」「クレジットカードのみの販売にされる」など、すぐにでも対策できそうなものばかり。

ただ転売ヤーにとって最も厳しいのは「法整備」「厳罰化」であり、これをされるとお手上げのようでした。しかし、まだ「チケット不正転売禁止法」以外は法整備されていないため、もし政府がこれに乗り出したら厳しいというレベルなのでしょう。

転売ヤーに厳しい視線が注がれる理由は高額転売だけではありません。「中古品を扱っているのに『古物商許可』を取得していないのではないか」「転売の利益を税務署に申告していないのではないか」などの疑惑も転売ヤーが嫌われやすいところです。

また、ここまであげてきた傾向に該当しない、組織的な転売業者、外国人の転売ヤー、犯罪グループなどの存在もあり、転売にまつわる問題は長期的な対処が必要でしょう。

もし私たちに今すぐできることがあるとすれば、転売ヤーに「売れないから値下げをせざるをえない」という小さな失敗体験をさせることではないでしょうか。少なくとも高額転売に関与しないという姿勢が、ルールを守って楽しもうとしている人の機会損失を避けることは間違いありません。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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