「また転売ヤーの仕業か…」「企業も対策してよ」日に日にヘイトが集まる“転売ヤー”は、なぜ日本で爆増したのか? 本人たちに聞いてみた
これほど転売に関する報道やコメントが増えているのは、それだけ同行為が行われ、問題視されているからにほかなりません。また、転売が問題視される際、「転売ヤー」(転売とバイヤーをかけ合わせた造語)というフレーズが使われ、世間に広く知れ渡ったことも理由の1つでしょう。
なぜ人は転売ヤーになるのか。なぜ人は転売ヤーから買ってしまうのか。一方、企業はどこまでの転売対策を求められるのか。
筆者は2000年代から現在にかけて、アーティストのチケット、アイドルのチケットやグッズ、アニメのグッズ、おもちゃ、家電、服、靴、コスメ、雑貨などのさまざまな転売ヤーに話を聞いてきました。その経験をもとに転売をめぐる本質と現実を掘り下げていきます。
小さな成功体験とゲーム感覚の面白さ
なぜ人は転売ヤーになるのか。もちろん稼ぐことが最大の目的であることは言うまでもないでしょう。
ただ取材した限りでは、「一度うまくいったから徐々に回数を増やした」という人と、「最初からバイト感覚で稼ぐつもりだった」という人に二分されました。
「一度うまくいったから徐々に回数を増やした」という人の主なきっかけは、使用済みの私物などの販売。「儲けは小さくても楽して稼げた」という小さな成功体験や、「商品選び、値付け、文章など、自分次第で稼ぎ幅が変わる」というゲーム感覚の面白さから徐々に回数を増やしていきました。
今回のマクドナルド・ハッピーセットにおける転売ヤーは主にこちらのタイプでしょう。
実際フリマサイトには利益が少ない金額で出品されているように、「利益が少なくても、ファンが多く、売れる可能性が高いものを選ぶ」のが特徴の1つ。いわば転売を浅く軽く行うライト層であり、ネット上の記事やコメントにその動きが左右されやすいところがあります。
そもそも「ちいかわ」「マインクラフト」のファンが外国人も含めて多いこと、販売前から初日にかけてネットメディアに“争奪戦”を想定した記事が報じられたこと、おもちゃの中身はランダムのため“ダブリ”が出やすいことなども、今回の早期販売終了や転売への批判に拍車をかけたのではないでしょうか。

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