「また転売ヤーの仕業か…」「企業も対策してよ」日に日にヘイトが集まる“転売ヤー”は、なぜ日本で爆増したのか? 本人たちに聞いてみた
一方、「最初からバイト感覚で稼ぐつもりだった」という人は、シビアに利益を追求。生活費や推し活の費用を得るために「いかに稼ぐか」を考えるため、地道に足を使って高額転売できそうなものを収拾する人から、長いスパンでの購入計画を立てる人、「禁止行為もいとわない」という人、アルバイトを雇って店頭購入やネット予約をする人まで、さまざまなタイプがいます。
「バイトはやりたくない」本音
たとえば、アイドルやアニメのグッズを大量購入して地方の人々に転売する。トミカやプラレールなど定期的に入れ替わる定番おもちゃを大量購入してストックし、5年後、10年後に転売する。転売ヤー同士で連携して人気アーティストのライブチケットを入手する。中古品販売店で安く購入したものをカテゴリーごとに集めてフリマサイトで売る。店の来店者やイベント来場者だけの限定商品、グッズ、配布物などを知人の協力やアルバイトの雇用で大量入手する人がいました。
彼らに転売をする理由を聞いていて気になったのは、「バイトはやりたくない」「学歴のない自分でもやれる稼ぎ方だから」「人と会う仕事は苦手」などの後ろ向きな言葉が多かったこと。さらに「特に理由はないけど生きていくためにやっている」という人もいました。
もちろん転売ヤーのすべてがそうではないでしょうが、「楽して稼ぎたい」という気持ちの裏に自信のなさがうかがえたのです。
ちなみに彼らの肩書を聞くと、「フリーター」「学生」「パート主婦」「専業主婦」が多くを占め、それ以外では「収入面で不安がある会社員の副業」という人もいました。これらはいわば「どこにでもいる普通の人」であり、あなたの家族・親族、友人・知人、同僚の中に転売ヤーがいるのかもしれません。
どこにでもいる普通の人だからこそ、「禁止されているものを転売すること」への罪悪感があまりないのも特徴の1つ。
転売ヤーと話をしていると、「法外な金額を設定しているわけではない」「むしろこの程度の儲けでほしい人にあげている」「文章を作ったり発送したり手間をかけている」「転売しているのは自分だけではない」などと転売を正当化するような意識が感じられました。
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