コマツを抜いた中国勢、建機市場で不気味な躍進のウラ側

外国車プレゼント 異例の販売促進策

そんな中、不気味な存在となっているのが中国を代表する地場メーカー、三一重工だ。昨年春から減産に踏み切ったコマツや日立建機を尻目に増産を貫くなど、強気姿勢を崩していない。三一は新車価格の2~3割が常識の頭金を撤廃したほか、展示会では購入客に抽選で外国車をプレゼントするなどして客の心をつかみ、昨年秋から一気に販売台数を伸ばしてきた。これが奏功し、市場が収縮する中でも前年並みの販売台数を確保。驚異的な追い上げで、2011年に初めてコマツから年間トップの座を僅差で奪い取った。

これにはカラクリがある。代理店に流通在庫を置かないコマツや日立建機が顧客に売った実需を販売台数とするのに対し、三一は代理店に売った時点で「販売台数」にカウントしているのだ。中国では「シェアトップになることがより大きな意味を持つ」(現地アナリスト)ため、目標達成に向け無理に製品を代理店に押し込んだ可能性がある。とはいえ、増産のツケで大量在庫を持つなど歪んだ実態を抱えつつも、シェアを急速に伸ばしている。

その背景には、積極的な販売戦略だけでなく、ユーザーに品質面でも受け入れられ始めたことがある。その立役者が、実は日系メーカーが供給する基幹部品だ。三一もかつてはコスト優先で地場メーカーの割安な製品を使用してきたが、今では川崎重工業(油圧機器)やナブテスコ(油圧モーター)、KYB(油圧シリンダー)など世界を代表するメーカーからの調達に切り替えた。三一に限っては「安かろう悪かろう」といった中国メーカーのイメージが当てはまらない。


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