自動車、大豆、コメ…「日米通商交渉」の現在地。参議院選挙が足かせ、決断できぬ日本政府

トランプ大統領と向き合う赤澤亮正・経済再生担当相(写真:ZUMA Press/アフロ)
ドナルド・トランプ米大統領の相互関税によって、世界経済は不確実性の渦に放り込まれた。企業業績、マーケット、通商・外交はどう動くのか。『週刊東洋経済』5月24日号の第1特集は「トランプ関税 大予測」だ。
どんな手札を切れば見直しを引き出せるか
「一致点を見いだせる状況になっていない」。2回目となる米トランプ政権との協議の報告を赤澤亮正・経済再生担当相から受けた石破茂首相は官邸で、そう口にした。5月3日のことだ。
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政府は、対米輸出額の3割を占める自動車分野への関税の見直しを柱に、多くのメニューを含むパッケージでの合意を目指している。だが2回目の交渉では米側から、自動車関税の見直しに前向きな提案はなかったもようだ。どんな手札を切れば見直しを引き出せるか模索が続いている。
米側が望む貿易赤字の解消には、対米輸出の減少か、日本への輸入増加が必要となる。目下、日本側で取り沙汰されているのが、日本への輸入増につながるメニューだ。
検討は「関税」「非関税」の両面から行われている。関税の面では、大豆、トウモロコシ、コメなど農産品の輸入条件緩和が俎上に載るが、「農産品だけではトランプは満足しない」(政府関係者)とされる。
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