参院選の争点“消費税減税”「物価高対策にはなじまない」「財源確保せず議論に踏み込むのは危険」と小野寺五典・自民政調会長が語る根拠

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——つまり入札じゃなくて固定価格で売り出すということですか?

備蓄米は国の財産なので、任意に値段をつけて売るという形で処分していいのかという意見もあるわけです。

ただやはり今回の考え方として、高いコメを買える方はいいんだと思いますが、この値段では食費がかさむという方々にも安くて安心なコメを提供するのも政府の仕事じゃないですか。そういう意味ではもっと工夫をしてほしいとお願いしています。

見えてきた備蓄米の問題点

——備蓄米の多くをJA全農が落札して卸売業者に出荷している。私が取材で聞いた話では、卸売業者に値段を下げるインセンティブが乏しい。過去に高く買った在庫もあるし、高値のほうが儲かると。そこで卸売業者を介さずに​小売業者に届く仕組みも考えたほうがいいんじゃないかという声もあります。

今どこで目詰まりをしているかという点については、農水省自身も言っていますが、JA全農から卸売業者に出荷されたコメが30%ちょっとしかない。ここは今回しっかり確認する必要があると思います。

——小野寺さんの選挙区は米どころの宮城ですが、米流通の古いしきたりみたいなものを壊していくチャンスではないかとも思います。

農水省の幹部と話をする中で、今回コメの値段が上がったということでの問題点が見えてきました。

本当にコメがなくて、飢饉のような状況になって備蓄米を放出するというときに、今回と同じように何か目詰まりしていたり、高い値段でしか買えないとなったりしたらおかしいじゃないですか。

備蓄米ってそういうためのものではないですからね。だから今回の目詰まりを1つの反省点として、本当にコメがなくなって大変なときに、どうやって広く薄くですね、安いコメ、配給でもいいぐらいにしっかり行き渡らせることができるか見直せと指示し、検証していきたいと思うんですよね。

食料安全保障のために備蓄100万トンをいざというときに出すという制度なのにこれが目詰まりしたら大変ですから、とにかく1つの教訓として見直してくれとお願いしています。

動画ではこのほか「社会保障費の財源問題」についても聞いています。
青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員研究員

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あおやま かずひろ / Kazuhiro Aoyama

元日本テレビ政治部次長兼解説委員。1992年日本テレビ入社。1994年に政治部に異動し、以来羽田政権から石破政権まで16の政権を取材。野党キャップ、自民党キャップ、ワシントン支局長を歴任し、国会官邸キャップを2度6年に渡り務める。与野党、省庁を問わない幅広い人脈を持ち、分かりやすい解説には定評がある。2021年に独立し、メディア出演、記事執筆など精力的に活動している。HP:青山和弘オフィシャルウェブサイト

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