深い味わいの"正体"はコレだった!和風パスタの名店「壁の穴」っぽい「たらこスパゲッティ」を自宅で作るための2つの極意

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ゆで上がったパスタの水気をザルで切り、ボウルに移し、ソースを絡めます。

水気はしっかり切ってしまって大丈夫です

器に盛り付け、刻みのりを添えたら出来上がり。シンプルですが、バターの風味とたらこがパスタに絡み、ぜいたくな味わいです。

うま味調味料では再現が難しい理由

以前、こんぶ茶、あるいはこんぶがない場合「うま味調味料で代用できますか?」と質問されたことがありますが、代用は難しいでしょう。確かにこんぶのうま味物質はうま味調味料と同じグルタミン酸ナトリウムですが、こんぶの風味とは異なるからです。

このことは簡単な実験で確かめられます。グルタミン酸ナトリウムを溶かした水溶液を味見すると、こんぶダシと味わいが異なることがわかるはずです。

実は、ここに塩化カリウムを添加するとこんぶダシにぐっと近づくのですが、こんぶの味わいはグルタミン酸ナトリウム単独ではなく、その他の味わいや香りが混ざったもの。こんぶ茶にアミノ酸系のうま味調味料が入っていても、うま味調味料では完全に代用できないので、こんぶ茶、もしくはこんぶの粉末を用意してください。

イタリアにもからすみ(ボッタルガ)やキャビアを使ったパスタ料理はありますが、バターを使ったものは見かけず、やはり日本で生まれ、独自に進化したものと考えられています。市販のパスタソースもありますが、材料さえそろえれば決して難しい料理ではないので、手作りする価値は十分にあるでしょう。

樋口 直哉 作家・料理家

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ひぐち・なおや / Naoya Higuchi

1981年東京都生まれ。服部栄養専門学校卒業。2005年『さよなら アメリカ』で第48回群像新人文学賞を受賞しデビュー。著書に小説『スープの国のお姫様』(小学館)、ノンフィクション『おいしいものには理由がある』(角川書店)、『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)、『最高のおにぎりの作り方』(KADOKAWA)などがある。

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