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ゴーガンとジョブズに共通する現実歪曲。熱狂をもたらす「内的必然性」とは?

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(出所)川上昌直『熱狂的ビジネスモデル』p.74
1 個人的必然性(Aspiration):創造者として独自のものを表現したいし、しなければならないというアーティストとしての衝動。自らの内面を表現したいという欲求。
2 時代的必然性(Age):時代の代表者として時代特有のものを表現したいというアーティストの衝動。その時代に特有の空気を作品に込める使命感。
3 系譜的必然性(Ancestry):芸術における歴史の中で自らの立ち位置を認識し、革新を起こす役割。社会の既成概念を覆し人々の価値観を一変させるようなパラダイムシフトを引き起こす

3つの内的必然性を備えたアーティストは、あふれ出る熱狂に突き動かされ、集中し全リソースを作品に注ぎ込みます。結果として、その作品は時代の前衛となり、未来をいまここに出現させる力を持つのです。

内的必然性に突き動かされたポール・ゴーガン

何十年、何百年経ってもなお人々の支持を得るアーティストは、3つの内的必然性すべてを兼ね備えています。

たとえば、画家ポール・ゴーガン(1848~1903)の遺作とも言える《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》は、死を覚悟して創作されました。まさに内的必然性が滲み出る作品といえます。彼の人生と思想の集大成とも言うべき熱狂を注いで描かれたのがわかります。

ゴーガン《我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか》(1897~98年制作)(所蔵:ボストン美術館、画像:Wikipedia[Public Domain])

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【この絵で本当に表現したかったこと】

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