悩み相談は百害あって一利なし?人間関係を壊す「相談する人」「される人」の陥りがちな残念な思考回路
相談された人が、「あなたは間違っていない。おかしいのは相手の方だ」と言ってくれれば、何も問題が解決していないにもかかわらず、気持ちがスッキリします。
もし相談された人が「あなたが間違っている」と答えて、問題解決の糸口を理路整然と解説し始めたら、相談者はどんな反応をするでしょうか?
相談者は釈然としない気持ちで相手の話を聞き、いくら論理的に正しい考え方であったとしても、その解決策を受け入れ難い気持ちになります。
それだけでは終わらず、「この人は自分のことを理解しない」と考え始めて、相談相手が信じられなくなり、イライラを募らせます。その結果、悩みや困りごとが解決することはなく、ストレスだけが溜まって、人間関係の悪化を招くことになるのです。
【相談される側の問題】よかれと思って「自説」を熱弁してしまう
職場の人から悩みや困りごとを相談されたら、ほとんどの人は、「相手のため」と思って親身になって相談に乗るはずです。相談内容によっては、「会社のため」や「チームのため」と考えて、真剣に相手の相談に耳を傾け、できる限りのアドバイスをすると思います。
相手のために「よかれ」と思って、考えられる限りのアイデアをあれこれと語り始めますが、相談相手はなぜか、腑に落ちない表情を崩そうとしません。
なぜならば、いつまで経っても相談者が求めている「あなたが正しい」というフレーズが登場せず、相手が「別にいらないんだけど……」と感じるような「自説」ばかりが延々と続いているからです。
このゾーンに入ると、相談されている側の気持ちの変化が起こります。「これほどアドバイスしているのに、なぜわからないんだ?」→「甘えているのではないか?」→「どうして自分で考えて解決しないんだ?」→「もっときちんと正してあげなければダメかな」……。
こうして相談者に対する「過干渉」が始まり、お互いがモヤモヤした気持ちになって、気まずい思いをすることになるのです。相談すればするほど、相談される側は相手を悪く捉えるようになり、お互いが納得できない気持ちのまま、話の内容も感情も厄介な方向に向かうことになります。
自分を否定されるまで相談を続ける
人に相談する場合は、自分を肯定してもらいたいケースがほとんどですが、その真逆のケースもあります。親から否定されて育ってきた人に多いのが、相手から自分を「否定」されるまで、相談を続けてしまう……というパターンです。
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