悩み相談は百害あって一利なし?人間関係を壊す「相談する人」「される人」の陥りがちな残念な思考回路

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子どもの頃から、親に「あれをやったらダメ」、「あなたは間違っている」と言われ続けて育った人は、自分を肯定してほしいとは思っておらず、自分を受け入れてもらいたいとも考えていません。

相談した相手から、「あなたは間違っている」とか「そんな考え方はおかしい」という否定の言葉が飛び出すまで、納得も満足もしないまま、延々と相談を続けてしまうのです。

例えば、ギャンブルが好きな人は、勝つためにやるのならばいいのですが、負けるまでやらないと気がすまない……という人もいます。これと同じで、自分が痛い目に遭わないと、自分のことが腑に落ちないため、自ら否定される方向に話を持っていこうとする人もいるのです。

人間というのは千差万別ですから、人に相談する場合に肯定も否定も求めておらず、相手にどんな反応を欲しているのか、自分でも理解できていない……というタイプの人もいます。

あなたの周りに、同じ相談や質問を何度も繰り返す人はいないでしょうか? こちらとしては、「その話は以前にもしたよね?」と思うようなことを、平気な顔で聞いてきて、納得したのかと思ったら、また同じ話をするタイプの人です。

相談される側は、そのたびにウンザリした気分になりますが、こういうタイプの人は、自分でもどんな答えや反応を求めているのか、わかっていないことが多いのです。

決して頭が悪いわけではなく、自分の頭の中にジグソーパズルがあって、どのピースがピッタリと当てはまるのか迷っている状態といえます。どのピースが正解なのかは、本人にも理解できていないため、何度も同じ相談や質問を繰り返してしまうのです。

他人の行動を理解するのは至難の業

私のクライアントに自閉症のお子さんがいて、カウンセリングのときに、お気に入りのマスコット人形を、私の顔に何度も押し付けてくることがありました。その人形はヨダレでベタベタになっていましたが、お子さんは「カワイイでしょ?」と言って、笑顔で私の頬に何度も人形をスリスリさせてくるのです。

親御さんにも理由がわからず、「大好きな人形だから、先生に喜んでもらいたいのでしょうか?」と戸惑っていましたが、私はお子さんの表情や仕草などから、その行動の裏にある意図を理解しました。

そのお子さんにとって、マスコット人形は安心材料だったのです。

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