悩み相談は百害あって一利なし?人間関係を壊す「相談する人」「される人」の陥りがちな残念な思考回路
「この人形があると、安心できるよね」。私がそう語りかけると、お子さんはニッコリと微笑んで、それ以来、人の顔に人形を押し付ける行動を取らなくなりました。
自閉症の子どもにとって、人との接触は恐怖の対象になりますから、人形を押し付ける行為には、「お互いにリラックスしましょうね」という思いや、願いが込められていたのです。
人間の行動には、必ず何らかの意図が伴いますが、それを他人が理解するのは至難の業です。
人に相談することも同じで、相談される側が相手の意図を見抜くことが難しいだけでなく、相談する側の本人にも、それがわかっていないことも珍しくないのです。人に相談するという行為を、軽く考えるのは禁物です。本当は想像以上に複雑で、思っているよりも難しいものなのです。
第三者にアドバイスを求めない
自分の悩みや困りごとは、人に相談する前に、もっと自分自身と向き合った方がいい……と考える人もいるでしょうが、自分と向き合っても、意外と解決の糸口は見つからないものです。自分と向き合って見つかるくらいならば、誰もが悟りを開いているはずです。
世の中には、「第三者に相談する人は、最初から自分の中に答えがある」という考え方もありますが、これは半分が正解で、もう半分が不正解です。
正確に表現するならば、自分の中に答えはあるが、それが言語化できていない状態……ということになります。言語化できていないため、それを自分で認識できないから、第三者にアドバイスを求めたくなるのです。
ここで大事なのは、「自分の中に答えがあり、第三者の中には答えがない」という事実をしっかりと認識することです。
自分の中にある答えを、人から引き出そうとしてもムリがあります。そんなムリなことをするから、頭が余計にグチャグチャになってしまうのです。
解決を急いで第三者に相談してしまうと、「わかってもらいたいけど、わかってもらえない」という感情に陥って、ネガティブな方向に気持ちが向かってしまいます。真面目な人であればあるほど、視野狭窄が起こって、メンタルを痛めたり、精神的に病むことになるのです。
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