専門医が指南する「腎臓病の予防」に効く【3つの生活習慣】…日頃の"筋肉量のチェック"も忘れずに!

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口内環境に関してはセルフケアだけでは行き届かないところもあるため、定期的に歯科医を受診して、メンテナンスをしてもらうように努めましょう。

「指輪っかテスト」で筋肉量をチェックしよう

『東北大学病院が開発した 弱った腎臓を自力で元気にする方法』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

加齢とともにどうしても筋肉量は減少していくので、日頃から適度な運動と栄養バランスの取れた食生活でケアすることが大切です。

とくに高齢者は、筋肉量が減少することで筋力や身体機能が低下する「サルコペニア」を発症するリスクが高まることが懸念されます。

このサルコペニアは、腎臓病の疾患の有無にかかわらず要注意です。放っておくと身体機能の低下からどんどん虚弱になり、日常生活に支障が出始めるばかりか、要介護寸前の状態である「フレイル」へと進行していきます。

こと腎臓病の患者さんにおいては、ただでさえ筋肉量が低下しやすいため、サルコペニアやフレイルを併発していると、病状の悪化にも拍車がかかってしまいます。

「なんだか最近、歩くスピードが遅くなった」
「手すりや杖を使わないとうまく歩けない」
「ペットボトルの蓋が開けられなくなった」
「なにをするにも疲れた感じがしてやる気が起きない」
「とくに理由もなく半年間で体重が2~3㎏以上減った」

このような状況がみられる場合は、サルコペニアやフレイルの兆候かもしれません。ここでサルコペニアかどうかを簡単に調べる方法として、ふくらはぎの筋肉の太さを測る「指輪っかテスト」を紹介しておきましょう。

両手の親指と人さし指で輪っかのかたちを作り、ふくらはぎのいちばん太い部分をその輪っかで囲むようにつかみます。このとき、指で作った輪っかのほうが大きく、ふくらはぎとのあいだに隙間ができていたら要注意。サルコペニアの危険度が高いとお考えください。

もしも症状が進行してフレイルに陥ってしまったら、その先には寝たきりの生活が待ち受けているかもしれません。危険度が高い人は、今すぐに食生活を見直し、運動を始めましょう。

(出所:『東北大学病院が開発した 弱った腎臓を自力で元気にする方法』より)
上月 正博 東北大学名誉教授、山形県立保健医療大学理事長・学長

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こうづき まさひろ / Masahiro Kouzuki

医学博士。日本心臓リハビリテーション学会名誉会員、総合内科専門医、腎臓専門医、高血圧専門医、リハビリテーション科専門医。1981年、東北大学医学部卒業。東北大学大学院内部障害学分野教授、東北大学病院リハビリテーション部長等を歴任。2022年より現職。心臓や腎臓などの内部障害のリハビリテーションを専門とする。2013年、日本心臓リハビリテーション学会学会長。2018年には腎臓リハビリテーションの功績が認められ、心臓や腎臓の分野に貢献した科学者に贈られる世界的に名誉ある賞「ハンス・セリエメダル」、2022年には「日本腎臓財団功労賞」を受賞。

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