専門医が指南する「腎臓病の予防」に効く【3つの生活習慣】…日頃の"筋肉量のチェック"も忘れずに!

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大阪大学の研究チームが、慢性腎臓病の患者さん1601人に対してアンケートを実施し、4年間の追跡調査を行ったところ、5時間以下の短時間睡眠は人工透析に至るリスクが2.1倍、同様に8時間以上の長時間睡眠は1.5倍に高まると発表しました。

このように短すぎる睡眠時間はもちろんのこと、長すぎる睡眠時間も腎臓にとってはよくありません。

睡眠時間や睡眠の質は腎臓にとっても死活問題です。腎臓をしっかりと休ませるためにも毎日の睡眠環境を見直し、睡眠の質を向上させるようにしましょう。

(出所:『東北大学病院が開発した 弱った腎臓を自力で元気にする方法』より)

丁寧な歯磨きが慢性腎臓病の予防になる⁈

もうひとつ。慢性腎臓病予防の観点から寝る前の習慣として心がけてほしいのは、丁寧な歯磨きです。

その際には歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯間や歯と歯茎の隙間までしっかりと磨いてください。

もちろん、毎食後に丁寧な歯磨きをするに越したことはありませんが、朝は忙しかったり、昼は機会が設けられなかったりするなどして、完璧に行うのはなかなか難しいでしょう。

だから最低限、寝る前だけは徹底するようにお願いします。これを怠ると、睡眠中は唾液の分泌量が減り、自浄作用や殺菌作用、免疫作用といった唾液の恩恵が受けられなくなってしまいます。

では、なぜ丁寧な歯磨きが慢性腎臓病の予防につながるのでしょうか。

例えば、歯周病は歯茎に炎症を引き起こし、歯を支えている骨を溶かしてしまいます。その際に歯周病菌が出した毒素は、血液を通じて全身に巡り、血管の内表面を障害することで、腎臓の機能にも悪影響を与えるのではないかといわれています。

実際に慢性腎臓病の患者さんの多くが歯周病を患っており、その数は健康な人と比べると1.7倍という調査結果もあるほどです。

詳しい原因は明らかになっていませんが、慢性腎臓病による免疫機能の低下やカルシウム吸収、骨代謝の異常などが一因と考えられています。

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